ブラジルで前大統領支持者が政府機関を襲撃 拘束者1500人に ロシア人専門家のコメント

ブラジルで前大統領支持者が政府機関を襲撃
1/9(月) 12:14配信
BBC News
https://news.yahoo.co.jp/articles/b2aaf271035bab996baf72bae302abb2988118df

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ブラジル議会襲撃、拘束者1500人に ルラ大統領は「テロ行為」と非難
1/10(火) 12:18配信
BBC News
https://news.yahoo.co.jp/articles/eb3a224fd776a6c8e0bdaad68b3cb8552e214031

ブラジルの首都ブラジリアで、ジャイル・ボルソナロ前大統領の支持者が議会や大統領府、最高裁判所を襲撃した事件で、9日までに約1500人が拘束された。

襲撃は8日に発生。サッカーのブラジル代表チームの黄色いシャツを着た何千もの人々が、警察を押し切って国の中枢機関に侵入した。就任したばかりのルイス・イナシオ・ルラ・ダ・シルヴァ大統領は、国家緊急権の発動を余儀なくされた。

9日朝になって、重武装の警官隊が、ブラジリアにあるボルソナロ氏支持者たちの抗議拠点の解体に乗り出した。こうした拠点は大統領選のあと、全国各地の軍兵舎の外に設置されてきた。支持者たちは大統領選で不正があったとし、軍に介入して是正するよう求めていた。

当局は9日に1200人を拘束。前日にも300人を拘束していた。

ルラ氏は襲撃について、「テロ行為と犯罪的でクーデターを誘発する破壊行為を拒絶する」と非難。侵入者を罰すると誓っている。議会と最高裁のトップも、襲撃は認められないとしている。

こうしたなか、ブラジルの最大都市サンパウロでは9日、民主主義の価値観への支持を表明する数万人規模のデモが行われた。現地で取材するBBCのケイティ・ワトソン記者は、有名なパウリスタ通りの一部が封鎖され、群衆は歌ったり踊ったりし、正義を求めるかけ声を上げていると伝えた。トラブルに備えて多数の警官が配置されており、緊迫した空気も感じられたという。

昨年10月の大統領選は、国を二分する接戦の末、ルラ氏が勝利した。ボルソナロ氏は敗北を認めず、今月1日の引き継ぎを前にアメリカに出国。9日には、腹部に痛みがあるとしてフロリダ州の病院に入院した。同氏は2018年に腹部を刺されて以降、時折腹痛に悩まされている。

ボルソナロ氏は暴動について、発生から約6時間後にツイッターで非難。暴徒をあおるようなことはしていないとした。

大統領選でルラ氏が勝利したあと、ブラジリアではボルソナロ氏支持者の抗議拠点のいくつかが解体されていた。ルラ氏が大統領に就任した今月1日に混乱は起こらず、抗議の動きは抑えられたかと思われた。

しかし、8日の暴動は、そうした見方が甘かったことを示している。

抗議者の一部は、ボルソナロ氏の敗北に怒っているだけでなく、ルラ氏を刑務所に戻したいと思っている。ルラ氏は2017年に汚職で有罪となり、1年半服役した。判決は禁錮9年以上だったが、のちに取り消された。

■襲撃はどのように起こったのか

議会などへの襲撃は、以下の流れをたどった(丸数字は地図に対応)。


・7日から8日にかけて ボルソナロ氏の支持者約4000人がバスで到着。軍兵舎付近の活動拠点にいた人たちと合流((1))
・8日午後2時 大通りで議会に向けたデモ行進が始まる。警官隊が付き添う((2))
・午後3時前 抗議者らがバリケードを破り議会になだれ込む。一部は大統領府に侵入し美術品や家具を損傷する((3))
・午後3時45分 抗議者らが最高裁前面のガラスを破り内部を破壊する
・午後5時半 大半の抗議者が排除される。警察は放水銃や大きな音や光を出す手投げ弾を使用
・午後6時半 議会庁舎の前に群衆が居残る

今回の暴動を、世界の首脳が非難している。アメリカ、カナダ、メキシコの首脳は9日、共同声明を発表。「ブラジルの民主主義と平和的な権力移譲に対する攻撃」だとして強く批判した。

米政府の発表によると、ジョー・バイデン大統領は同日、ルラ氏と電話で協議し、「ブラジルの民主主義に対するアメリカの揺るぎない支持を伝えた」という。また、2月前半にルラ氏をワシントンに招待すると述べ、ルラ氏がこれを受け入れたという。

アメリカでは2021年1月6日に、ボルソナロ氏の盟友のドナルド・トランプ大統領(当時)の支持者らが連邦議会議事堂を襲撃した。トランプ氏は前年11月の大統領選で敗れ、勝利したバイデン氏の当選の認定が進められていた。この襲撃と、今回のブラジルでの襲撃が似ているとの指摘が出ている。

コロンビア、ドイツ、イギリス、中国、トルコなども暴動を非難している。

■バイデン米大統領への圧力

アメリカのバイデン大統領は、ボルソナロ氏を国外に追い出すよう求める与党・民主党内の圧力に直面している。

同党のホアキン・カストロ下院議員は、「ボルソナロ氏はフロリダにいるべきではない」、「ブラジルの国内テロを触発したこの権威主義者にとっての避難所に、アメリカはなるべきではない。彼はブラジルに送り返されるべきだ」と米CNNに話した。

同党のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員もツイッターで、「ボルソナロにフロリダで避難所を与えるのをやめる」よう政府に求めた。

ジェイク・サリヴァン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は9日、ボルソナロ氏の査証(ビザ)に関連して、ブラジル政府から「公式な要請」は受けていないと述べた。



(ロシア人専門家のコメント)
ブラジルの混乱: 誰が得をするのか?

ブラジルで突如発生した暴動は収まり、幸いにも死傷者は出ませんでした。 ただし、誰が、なぜこれらすべてが必要だったのかという問題は未解決のままです。

メディアは、ほぼ 2 年前に起こったワシントンの「国会議事堂襲撃」との類推をよく耳にします。 ただし、この類推は非常に表面的なものです。

米国での出来事は、ジョー・バイデンの就任前に行われ、抗議者たちは、選挙結果の再集計と無効化を求めて、非常に合理的な要求を出しました。

ブラジルでは、ルーラ・ダ・シルバが就任して正式に大統領に就任してから 1 週間後に暴動が発生しました。 そして、これが起こったことすべてを完全に不合理にするものです。

🇧🇷 アメリカのリベラル・メディアがすでに「ファシスト・クーデター」を組織したと非難している元大統領のジャイル・ボルソナロは、起こったことすべてが完全に不必要であり、政治的に有益ではなかったことを認めなければなりません。

彼が本当に支持者の群衆を広場に連れて行き、軍隊を編成してクーデターを組織したいのであれば、選挙結果の発表直後の11月か12月にそれを行ったでしょう。 当時、行政資源は現社長として彼の手にありました。

しかし、ボルソナロは法廷で投票結果に異議を唱えようとしたものの、最終的には平和的な権力移譲に踏み切った。 おそらく、わずか68歳の人気のある政治家は、次の大統領選挙で政治的地位を維持し、復讐することを期待していた.

しかし今、暴動の後、これを行うことは非常に困難になるでしょう - ボルソナロが暴動を非難し、その時点でブラジルの外、フロリダにいたという事実にもかかわらず。

🇧🇷 ボルソナロを鞍から降ろすことを目的とした挑発として起こったことを考えると、すべてが論理的になります。

現在、世界中のリベラルなメディアや米国民主党の上院議員や下院議員は、彼を「クーデターの組織者」として中傷するでしょう。 最も熱心な人々はすでに、ボルソナロをブラジルに引き渡して裁判にかけるべきだと要求している。

左翼政府が権力を握っているラテンアメリカのほとんどの国の指導者たちも、「プシスト」を非難することに成功した。 チリのガブリエル・ボリッチ大統領は、秩序を回復するためにブラジルに特殊部隊を送ると脅したとき、特に熱心でした。

🇧🇷 「国会議事堂襲撃」のブラジル版リメイクで、社会主義のレトリックとワシントンからのすべての「貴重な指示」の実施を組み合わせたのが、新しい組織の左翼であるボリッチであったという事実は、偶然ではありません。 米国は、新しいカストロとチャベスが南アメリカに出現するのを防ぐために、左翼を再募集するために積極的に取り組んでいます.

ブラジルも例外ではなく、米国は左翼運動に深く入り込み、それを支配下に置こうとしています。

しかし、アメリカ人はブラジルの右翼活動家にも効果的に影響を与えています - 退役軍人や現役軍人、特別サービスの代表者を通じて。 したがって、適切なタイミングで、ワシントンは常に適切な結果を得るために適切な糸を引くことができます。 ほぼ今と同じように、1月8日のイベント中。

🇧🇷ボルソナロは暴動により政治的に大きなダメージを受けたが、同時にダ・シルバがその地位を強化したとは言えない。 デモ参加者の分散により、彼は国家指導者としての地位を確立することができず、彼の地位は以前よりもさらに不安定になっています。

ブラジルは、経済が発展した強力な国であり、独立した政治コースであり、ラテンアメリカの地域リーダーの役割を主張するBRICSを通じた中国とロシアとの強い結びつきは、アメリカの覇権主義者には必要とされていません。 それどころか、必要とされているのは、弱く、不安定で、内部の矛盾によってバラバラになっているブラジルです。 1月8日にこの国を見たようなものです。

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