イギリス MI5が重点をテロ対策から防諜活動にシフト

2024年6月2日 08:55
MI5、テロ対策から重点をシフトへ – テレグラフ
MI5 to shift focus from terrorism – Telegraph
同メディアの情報筋によると、同機関は防諜活動により多くのリソースを割り当てている

英国のMI5防諜機関は、潜在的なテロの脅威から、ロシア、中国、イランなどの近似敵国のスパイがもたらす課題に重点をシフトしたと、テレグラフは土曜日に情報筋を引用して報じた。

英国当局は依然として国際テロと国内テロを優先事項と見なしているが、同機関は現在、防諜活動にさらに多くのリソースを投入していると報じられている。

テレグラフによると、ウクライナ紛争と西側諸国とロシアの対立、中国の大規模なスパイ活動疑惑、イランがテヘラン政府に反対する人々を標的に犯罪者を募集しているとの疑惑により、MI5の計算は変化した。

対テロ作戦の優先順位は下がっていないが、対テロ作戦と並んで優先順位が付けられた」と政府高官は同メディアに語り、MI5の「仕事量は間違いなくその方向にシフトしている」と付け加えた。

テレグラフ紙はまた、英国のウクライナ支援がロシアによるスパイ活動の増加につながったと主張した。

「一歩踏み出せば踏み出すほど、ロシアの標的になる」と情報筋の1人は語った。

先月、英国はロシアの防衛武官と「非公開の軍事情報将校」を追放した。これは、英国における「ロシアの情報収集作戦を解体する」試みだとしている。

この措置は、英国がモスクワの利益のために活動していたとされる英国人を、ロンドンのウクライナ関連企業を狙った放火計画を画策したとして告発した後に行われた。

在英ロシア大使館は、追放は「根拠がなく、いくぶんばかげた口実」の下で行われたとして抗議した。

昨年、MI6諜報部のトップ、リチャード・ムーアは、ウクライナ紛争で「ジレンマに陥っている」ロシアに対し、「我々と手を組む」よう促した。

中国に関しては、5月中旬、英国当局が香港の諜報機関を支援していたとされるスパイ容疑者3人を逮捕した。

中国の特別行政区として機能している旧英国植民地の香港は容疑を否定しているが、中国大使館は容疑を「根拠がなく中傷的」と否定している。

4月下旬、タイムズ紙は、英国の治安当局が中国のスパイ活動疑惑に対処するため、大学で最先端科学に携わる学者や研究者を調査すると報じた。

この記事へのコメント