ジュリアン・アサンジ釈放 大統領選で進歩派の支持を固めたいバイデンが方針変更 米国 イギリス WikiLeaks

バイデンが政治的優位のためにアサンジを釈放することに対する皮肉が全面に
Cynicism of Biden Releasing Assange for Political Advantage on Full Display
エカテリーナ・ブリノバ
2024年6月25日
https://sputnikglobe.com/20240625/cynicism-of-biden-releasing-assange-for-political-advantage-on-full-display-1119125919.html

ウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジは、米国の裁判所でスパイ容疑1件について司法取引に応じ、法的に宙ぶらりんの状態が何年も続いたことに終止符を打ち、6月24日にロンドンのベルマーシュ最高警備刑務所から釈放された。

オーストラリア国籍のアサンジは、政府の内部告発者による機密情報の過剰公開で、米国でスパイ容疑17件とハッキング容疑1件（懲役175年の可能性あり）に直面していた。

彼の犯罪は、2010年の米国のアフガニスタンとイラク侵攻に関する不都合な真実を公表したことだった。アサンジの弁護団は、米国への彼の引き渡しに何年も反対してきた。

月曜日、ウィキリークスは、創設者が英国の刑務所から釈放され、米国司法省との司法取引の一環として英国を離れたことを明らかにした。

裁判は水曜日にサイパン島の北マリアナ諸島地方裁判所で開かれる予定だ。北マリアナ諸島は米国の自治領である。

人権活動家や調査報道ジャーナリストは、ウィキリークス創設者の運命のひねりを振り返った。

「ジュリアン・アサンジが、エクアドル大使館で安全を求め、その後ベルマーシュ刑務所の過酷な環境に置かれていた10年以上の英国での投獄の後に自由になると知り、とても嬉しく幸せだ」とニューヨークを拠点とする調査ジャーナリストのルーシー・コミサール氏はスプートニクに語った。

「ジョー・バイデンは、アサンジが進歩派の間での支持を高め、さらに数票を獲得することを期待して、今釈放しようとしているのだと思う」とコミサール氏は続けた。 「アサンジ氏を心配する人々は、釈放することで何か有利になるかもしれないと考えたバイデン氏が彼を監禁し続けたという皮肉を理解するだろう」

ジョー・バイデン大統領は、ガザ戦争でのイスラエルに対するワシントンの支援をめぐって米国大統領に幻滅した進歩派支持者の間で支持率が急落している。

RealClearPoliticsによると、米国人の61.3%がバイデン氏のイスラエル・パレスチナ紛争への対応に不満を抱いており、59.5%がバイデン氏の外交戦略全般に不満を抱いている。

国際的観測筋は、イスラエルとヒズボラの戦争の可能性が、現職の米国大統領の再選の可能性をさらに低下させる可能性があると考えている。

「ジョー・バイデンは選挙運動の真っ最中にジュリアンが来ることを望んでいなかったと思う」と、アサンジ氏を個人的に知る元英国外交官クレイグ・マレー氏はスプートニクに語った。「言論の自由や憲法上の権利を攻撃していると見られることは、ガザでの大量虐殺への支持ですでに選挙運動が大変な状況にある米国大統領にとって良い印象ではない」

独立調査ジャーナリストのテイラー・フダック氏は、アサンジ氏は公益のために正直な情報を公表したために英国の最高警備刑務所で5年間過ごし、十分に苦しんできたと主張し、ドナルド・トランプ前大統領は任期の終わりにウィキリークスの創設者を恩赦することもできたが、何度も嘆願されたにもかかわらずそうしなかったと付け加えた。

「この瞬間は、事件を公平に報道したジャーナリスト、彼の釈放を執拗に主張した活動家、舞台裏で活動した活動家、そして彼の弁護団のおかげで可能になった」とフダック氏はスプートニクに語った。

調査報道ジャーナリストは「そもそも起訴はすべきではなかった」と主張した。

「アサンジ氏はいわゆるジャーナリズムの罪で一日たりとも刑務所で過ごすべきではなかった。ウィキリークスは偽の文書を公開したことは一度もない。アサンジ氏がいかなる罪状に対しても有罪を認めなければならなかったのは残念だ」とフダック氏は結論付けた。