フィンランド 鳥インフル・ワクチンの人間への接種を開始 世界初 早ければ来週にも パンデミック

フィンランド、人間への鳥インフルエンザ・ワクチン接種を開始
Finland To Start Bird Flu Vaccinations For Humans
ワクチン接種は早ければ来週にも開始される予定。
2024年6月25日
https://www.theepochtimes.com/health/finland-to-start-bird-flu-vaccinations-for-humans-5675068

フィンランドは、動物と接触する可能性のある一部の労働者に対し、早ければ6月30日の週に鳥インフルエンザワクチン接種を提供する予定であると、保健当局が6月25日に発表した。そうなれば、フィンランドは世界で初めてこれを行う国となる。

​​この北欧諸国は、製造業者CSL Seqirusから15カ国向けに最大4,000万回分の欧州共同調達の一環として、1万人分のワクチン(各2回接種)を購入した。

「このワクチンは、仕事やその他の状況により鳥インフルエンザに感染するリスクが高い18歳以上の人に提供される」とフィンランド保健福祉研究所は声明で述べた。

鳥インフルエンザのH5N1株は、何十年も鳥の間で流行していたが、最近は米国の牛を含む他の種に感染している。

米国では今年3人の感染が確認されているが、フィンランドでは感染者はいない。

しかし、フィンランド当局はウイルスの感染を抑えるためにワクチンを展開している。

「フィンランドの状況は、動物が野生動物と接触する可能性のある毛皮農場がある点で非常に異なります」とフィンランド保健福祉研究所の主任医師ハンナ・ノヒネク博士は述べた。

ほとんどが屋外の毛皮農場では、ミンクやキツネの間で鳥インフルエンザが広範囲に発生し、感染リスクを減らすため2023年に約48万5000頭の動物が殺処分された。

研究所の広報担当者によると、ワクチン接種は早ければ来週にも開始される見込み。毛皮農場の労働者や鳥インフルエンザのサンプルを扱う研究室の技術者など、リスクがあるとみなされる人々が接種の対象になる。

​​ヒトへの感染が確認された場合は、患者と濃厚接触した人々にもワクチンが提供される。

米国がワクチンを発注

米国政府はCSL製のインフルエンザワクチンを約500万回分発注しており、製造は夏の終わりまでに完了する予定。

しかし、米国政府は農場労働者やその他の人々へのワクチン接種を開始する具体的な計画はまだ立てていない。

米戦略準備対応局(ASPR)の準備​​対応担当次官ドーン・オコネル氏は5月、政府当局はワクチン接種を進めることについて「注意深く検討している」と述べた。しかし、政府はそれ以降、ワクチン接種に関して正式な発表を行っていない。

ASPRの医療対策プログラムの責任者ロバート・ジョンソン氏は、6月25日の記者との電話会議で、フィンランドが一部の人々にワクチン接種を開始するという選択について質問された。ジョンソン氏は、ASPRと米国疾病予防管理センターは、H5N1が現時点で公衆衛生上のリスクが低いことに同意していると述べた。

CDCの職員デメトレ・ダスカラキス博士は記者団に対し、「ワクチンに関するさらなる審議や決定には、米国政府とのさらなる話し合いが必要になるだろう」と語った。

インフルエンザによるパンデミックを想定して6月25日に発表された戦略文書で、米国当局はワクチンは「流行が始まる前に配備され、幅広いインフルエンザウイルスに対する免疫反応をもたらし、パンデミック前に国民がH5Nxウイルスに対してある程度の防御力を持つことができる」と述べた。

当局は、H5N1を標的とした2つの自己増幅RNAワクチンを含む、インフルエンザに対する複数の実験的ワクチンの試験を支持している。

ファイザーとモデルナも、広く使用されている2つのCOVID-19ワクチンを開発した後、H5N1に対するメッセンジャーRNAワクチンについて米国当局と協議している。

米国では最近、3人の農場労働者がH5N1の検査で陽性となったが、当局は、病気は牛から来たと考えられており、今のところ人から人への感染の兆候はないということを強調している。

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