ロシア 2023年にLNG輸出で世界4位 経済制裁対応が課題

7月15日、19:00
プレスレビュー
https://tass.com/pressreview/1816945
ロシースカヤ・ガゼータ：ロシアは2023年に世界第4位のLNG輸出国になる
Rossiyskaya Gazeta: Russia becomes fourth-largest LNG exporter in the world in 2023
https://www.rg.ru/2024/07/14/suda-dlia-dela.html

国際液化天然ガス輸入者グループの年次報告書によると、ロシアは2023年に液化天然ガス（LNG）輸出で世界第4位となり、海外への輸出量は合計3,140万トンに達した。ロシアの輸出量は、同国が世界市場に3,210万トンを供給した2022年とほぼ同等であった。一方、ロシスカヤ・ガゼータがインタビューした専門家によると、ロシアは2025年までに市場リーダーである米国とカタールにさらに遅れをとる可能性がある。

ロシアの輸出量を上回るのは、7820万トンを輸出したカタール、7960万トンのオーストラリア、8450万トンの米国のみである。さらに、カタールとオーストラリアからのLNGは2022年以降ほとんど変わっていないのに対し、米国は出荷量を900万トン増やし、3位から1位に浮上した。

同紙は、ガス液化プロジェクトに対する制裁を考慮すると、リーダーに追いつくためには、ロシアは新しいアークティックLNG-2プラントからのLNG輸出の問題を迅速に解決する必要があると書いている。最初の生産ラインはすでにここで稼働している（年間660万トンのLNG）が、プロジェクトが米国財務省の制裁リストに含まれているため、顧客に商品を配送できるアークティック級のガス輸送船はない。同様の制裁は、ムルマンスクで計画されているLNGプロジェクトにも課された。

国家エネルギー安全保障基金の副代表アレクセイ・グリヴァチ氏によると、ロシアが制裁にどう対処するかが、世界のLNG市場でのロシアの立ち位置を決める上で大きな役割を果たすだろう。

インプリメンタのプロジェクトマネージャー、イヴァン・ティモニン氏によると、ロシアはアークティックLNG-2プラントからの配送が開始されなくても、LNG輸出国ランキングで4位を維持できるだろう。同時に、ロシアと市場リーダーである米国とカタールとの差は、2025年までに広がる可能性があると専門家は考えている。