本日の建設作業員控え室 多文化共生

近所の建設現場で働く作業員の方々用に、請負会社が借り上げた小さな店舗があり、外から室内が良く見える。打ち合わせ、荷物置き場、トイレとして使っている。

今日室内にいたのは、アフリカ系とおぼしき黒人大男1人。日本人仕様の小さなテーブル、小さなパイプ椅子に、ステレオタイプな描写で申し訳ないが、真っ黒な大男がでーんと座り、弁当を豪快に食べていた。「その部屋のご主人様」「本日の現場監督」という感じの貫禄(笑)。

うちに定期的に来ていただいている職人の方は先日、世間話の中で「自分も段々歳を取ってきたので、別の場所でしている(小さな)仕事を半分にしていただいて、来年はお断りすることにしました」と打ち明けた。

拙宅の仕事を続けるという前提の中で、別の仕事を断るという話なのだが、もうしばらくすると、拙宅からも手を引くだろう。問題は、次に依頼できる人が日本人の中から見つかるかということ。たぶん見つからない。

中国人移民の整体師が最近、看板を下ろして閉店したので、単に「引退したんだな」くらいに思っていたら、なんと偶然その人のX/Twitterを見つけた。

「お客様が高齢になり毎年毎月、客足が減るが、若い世代から新規顧客の獲得はできなくなっていた。中国も少子高齢化だが、上海は活気があるからまだやれると思い、思い切って日本を整理し、中国でもう少しがんばることにした」と正直に書いてあった。正しい判断だと思う。

思い起こせば、1980年代には都心の繁華街にある飲食店の洗い場は、日本語が通じない外国人の職場になっていた。当時は、フロアーにガイジン顔は出せないという感覚があったが、洗い場は人手が足りないし、言葉は必要ないので、外国留学生等で回していた。あれから40年。こんなに変わる。

クルド問題について「移民は出てけ」「もっと日本人を活用すべき」という意見をよく見かけるが、日本は、とうの昔に「べき論」で回らなくなっている。「いらしていただいて、ありがたい」と思わなければいけない。

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