《コォーってすごい声を出して頭をかじってくる》住宅地に出没するツキノワグマの恐怖「顔面を集中的に狙う」「1日6人を無差別に襲撃」熊の“おとなしくて怖がり”説はすでに崩壊 富山市 北秋田市

《コォーってすごい声を出して頭をかじってくる》住宅地に出没するツキノワグマの恐怖「顔面を集中的に狙う」「1日6人を無差別に襲撃」熊の“おとなしくて怖がり”説はすでに崩壊
10/31(金) 21:40配信
NEWSポストセブン
https://news.yahoo.co.jp/articles/564054e505051da9f6426aed2607e61f7fb27869

 全国各地で相次いでいる熊による被害。かつては山地だけでの出来事かと思われていたが、昨今は住宅地に熊が出没し、人間を襲撃するケースが多発している。

【衝撃写真】「6発撃っても死なない」「頭皮が裂けてにホッチキス30針」ヒグマに襲われた男性の生々しい傷跡

 なかでも、"おとなしい性格"だと言われていたツキノワグマが無差別に人間を襲う事件も珍しくない。これから人間はどう熊と相対していけばいいのだろうか。それを考えるには、過去の熊被害と向き合う必要があるだろう。

別冊宝島編集部編『アーバン熊の脅威』から、ツキノワグマによる襲撃事件を2件紹介する。(同書より一部抜粋して再構成)

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住宅敷地内でツキノワグマに襲われた高齢女性

発生年月日:2023年10月17日と23日発生場所:富山市犠牲者数:死者1名、負傷者1名熊種:ツキノワグマ

 2023年10月17日の夜、富山市江本の住宅敷地内で熊に襲われたとみられる住人の70代女性が死亡した。

 女性の夫が「午後6時頃から妻の姿が見えない」と警察に通報し、駆けつけた署員が敷地内で血を流してうつ伏せに倒れている女性を発見。頭やアゴに深い切り傷があり、死因は首や胸を骨折したことに伴う出血性ショックだと明らかになった。

 顔の損傷があまりに激しく、住宅敷地内の事件で身内である夫もいる状況でありながら、身元の特定に時間がかかったという。顔面を集中的に狙う攻撃方法は、熊の襲撃の特徴そのものだ。これらの要素から女性が熊に襲われて死亡したのは、ほぼ間違いないとみられたが、それを特定することが難しいほど遺体の損傷も激しかった。夫の気持ちを思うと、なんともやりきれない事件だ。

 現場は富山駅から南に8キロほど離れた田園地帯だが、周辺には住宅が点在しており、近くには小学校もある。まぎれもなく「住宅地」であり、そこに人間を襲うような熊が堂々と現れるということ自体が異常性を感じさせる。この8日前にも近辺で70代の女性が熊に襲われ、顔などをひっかかれて重傷を負う事件が起きており、小学校の校庭でも熊の足跡が見つかるなど、例年にないほど熊が出没していた。

高齢化と過疎化が熊被害を呼び込むというリアル

 10月23日には、死亡事件の現場から約2.5キロ離れた富山市安養寺の住宅敷地内の納屋の中で作業をしようとしていた70代男性が熊に襲撃される。男性は応戦したが、熊と格闘したことで両手に全治1か月のケガを負った。地元のハンターたちが付近を捜索し、体長1.2メートルほどの雄のツキノワグマを発見。熊は猟銃で射殺されたが、70代女性を殺害したとみられる熊と足の大きさが酷似しており、同一の個体である可能性が高いと判断された。

 高齢の女性を鋭い牙と爪で痛めつけて命を奪い、さらに別の男性を襲ったという事実を踏まえると、ツキノワグマの特性とされる「おとなしくて怖がりな性格で、積極的に人間を襲うことはない」という定説はとっくに崩壊しているのだと思い知らされる。

 一連の事件の現場となった地域には柿の木が多くあり、ツキノワグマは柿の実を狙って出没したと指摘されている。実際、被害を防ぐために柿の木を伐採した地域は、熊がまったく姿を現さなくなっていた。だが、地域によっては高齢化が進んでいるため、柿の木を伐採する人手が足りず、放置されているケースが少なくない。高齢化社会と過疎化が熊による人身被害を呼び込んでしまった側面もあるのだ。
市街地で暴れまわるツキノワグマ 襲われた男性「頭蓋骨が…」

発生年月日:2023年10月19日発生場所:秋田県北秋田市の市街地犠牲者数:負傷者6人熊種:ツキノワグマ

 2023年10月19日、秋田県北秋田市の市街地で一日のうちに6人が次々と熊に襲われるという驚くべき事件が起きた。

 最初の被害は午前6時40分頃、83歳と81歳の女性2人が熊に相次いで襲われ、このうちのひとりは右肩を骨折し、頭を咬まれたり右目のあたりを引っかかれたりして重傷を負った。

 午前7時頃、熊は約700メートル離れたJR奥羽線・鷹ノ巣駅前の交差点付近に移動。バス停にいた16歳の女子高校生が左腕を咬まれるなどの被害に遭い、さらに付近を散歩していた82歳の女性も背中と肩を引っかかれ、転倒した際に頭を打った。

 それで被害は終わらず、午前11時20分頃にバス停近くの菓子店の主人である66歳の男性が外出しようとガレージのシャッターを開けると、わずか2メートほどの距離で熊と遭遇。とっさに男性は逃げようとしたが、熊が猛スピードで追いかけてきて後ろから押し倒された。男性はテレビ番組のインタビューで「(攻撃を)手で防いでいたんですけど、もう顔と頭に執着するんですね、熊が」「すごい勢いで『コォー』ってすごい声を出して(頭を)かじってくる。死ぬかもしれないなと……」と恐怖の体験を語っている。

 熊の攻撃が一瞬だけ緩み、男性は隙を見て逃走。熊が追ってきたがなんとか振り切り、約40メートル離れた建物に逃げ込んで間一髪助かった。頭や顔に大ケガを負った男性はドクターヘリで病院に搬送された。男性によると、建物に逃げ込んだ時に鏡で咬まれた箇所を確認したら「頭蓋骨が開いていた」と言い、右の耳たぶは咬みちぎられていた。顔面にも攻撃を受けたが、あと5ミリずれていたら失明のおそれもあった。幸い命に別状はなかったが、顔や背中などに痛々しい傷が残り、事件から1か月以上経っても目のかすみや立ちくらみ、少量の出血などの後遺症があったという。

次々と人を襲った熊の糞から見つかったモノ

 さらに同一の個体かは不明だが、同日の午後6時半すぎにも北秋田市(場所)の路上で、学校から歩いて帰宅していた14歳の女子中学生が熊に襲われ、頭や首などにケガをした。女子中学生は自力で自宅にたどり着き、姉が「妹が熊に咬まれて出血している」と119番通報をして病院へ搬送された。

 次々と人を襲った熊が現場に残した糞からは、人里で栽培されるソバの実が見つかった。山でブナの実などが不作となったことから、人里へ下りてきて普段は食べないソバの実などを食べていたとみられる。しかし、そのような事情があったとしても、市街地で一日に6人も熊に襲われるというのは異常事態。幸いにも死者は出なかったが、熊の性質や状態によっては、とてつもない大惨事になっていた可能性もある事件だった。

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