レバノン ガス第8鉱区探査契約 国内から上がる国益損失という批判 Total QatarEnergy ENI フランス イタリア カタール

توقيع اتفاقية التنقيب في البلوك 8: إضرارٌ بالمصالح الوطنية... لعُيون «توتال»!
2026.01.10
al-Akhbar (Lebanon, Arabic)

ブロック8掘削協定の署名と背信の疑い レバノン政府と、フランスのTotal, QatarEnergy, イタリアのEniからなる企業連合との間で「ブロック8」のガス掘削協定が締結されました。しかし、この記事はこれを「国家戦略上の利益を損なう祝典」と厳しく批判しています。背景には、ジョー・セッディ・エネルギー相が、フランス企業トタルの意向を優先させるために、レバノンにとってより有利だった他社との契約を不当に破棄した疑いがあります。

競合他社の排除による機会損失 2025年9月、ノルウェー・アメリカ系の調査会社「TGS」は、レバノン政府から正式な許可を得て、ブロック8の3次元地震探査(海底調査)を自社負担で開始する予定でした。TGSの提案は、調査費用をレバノン国庫に負担させず、得られたデータの販売収益を国と分け合うという、レバノンにとって極めて有利な条件でした。また、調査結果は2ヶ月で判明する予定であり、これによりレバノンは正確なデータを持ってトタル等との交渉に臨めるはずでした。しかし、セッディ大臣はTGSを強引に撤退させ、この機会を潰しました。

トタルへの過度な譲歩と3年の遅延 TGSを排除した後に締結されたトタルの提案は、地震探査に3年もの歳月をかけ、しかも掘削の義務を伴わないという条件でした。これにより、即座に掘削段階へ進めたはずのプロセスが3年遅れることになります。さらに、トタルが行う調査費用は将来的な「コスト・ペトロリアム(採掘コストの回収)」としてレバノン側が実質的に負担することになり、TGSの「コストゼロ」案と比較して財政的な損失は明白です。

セッディ大臣による職権乱用と法的問題 セッディ大臣は、石油セクター管理庁(LPA)の権限を無視し、パリでトタルと独断で交渉を行ったとされています。TGSに対して「戦略的理由」という曖昧な言葉で活動停止を命じたメールは、法的な有効性にも疑問が呈されています。また、トタルが契約締結の期限を大幅に過ぎていたにもかかわらず、大臣が法解釈を不当に拡大して契約を維持させた点も、将来的な司法手続きによる取り消し(訴訟リスク)を孕んでいます。

信頼失墜と将来への懸念 トタルによる「TGSが調査を行うならレバノンでの全事業を停止する」という脅しに屈した政府の姿勢は、国際的な投資家に対し、レバノンの契約環境が不安定で特定企業に癒着しているという最悪のメッセージを送りました。さらに、トタルが近く「ブロック9」からの撤退を発表するとの予測もあり、同社が意図的にレバノンの資源開発を遅らせているのではないかという疑念が深まっています。

このエネルギー政策を巡る一連の決定が、閣僚間の合意に基づいたものなのか、あるいは大臣個人の責任なのか、政治的な追及が始まろうとしています。

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