トイレットペーパーやラップ「パニック買い」に注意喚起 原料が足りているのに「品不足」が発生する理由を徹底解説 イラン戦 ナフサ 値上げ 買い占め 米国 イスラエル

トイレットペーパーやラップ「パニック買い」に注意喚起 原料が足りているのに「品不足」が発生する理由を徹底解説
4/5(日) 10:30配信
AERA DIGITAL
https://news.yahoo.co.jp/articles/87e0252a345bbff7aed518b4755a9ef2e2bce713

 経済産業省は公式Xで「イラン情勢の直接の影響はありません」と発信し、トイレットペーパーの購買について冷静な行動を呼びかけた。原料が十分でも不足が起こるとしたら、要因は何か。

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■「増産余力も十分」

「(トイレットペーパーの)原料は国内回収古紙やパルプで、中東依存のものはほぼないため、直接の影響はありません。増産余力も十分にあるため、購入にあたり正確な情報のもと冷静なご判断をお願いします」

 中東・ホルムズ海峡の事実上の「封鎖」を受け、経産省は3月19日、公式Xにこう投稿した。一部SNS上にトイレットペーパーやラップ、ごみ袋など日用品の供給を不安視するも声があったためとみられる。

 経産省が警戒するのは、実際には不足していないのに買い占めが起きる「パニック買い」だ。需要が急増すれば流通が追いつかず、結果として実際にトイレットペーパー不足を招き、他の商品にも連鎖しかねない。

■「うわさ話」が発端で買い占めに

 経産省の担当者は、1973年の第1次オイルショック時のトイレットペーパー騒動を引き合いに出す。

「当時の買い占めは、大阪の主婦の『うわさ話』が発端でした」

 73年10月、大阪・千里ニュータウンのスーパーにトイレットペーパーを求める行列ができ、それが報道されると買い占めは全国へ拡大した。

「今はSNSがありますから、誤情報が広がるスピードは当時とは比べものになりません」(経産省の担当者)

■コロナ禍では「パニック買い」

 トイレットペーパーの約97%は国内生産だ。メーカーで構成される日本家庭紙工業会の担当者はこう話す。

「ホルムズ海峡情勢の影響は全くなく、生産・出荷は順調です」

 かつては乾燥工程に重油を使うことが一般的だったが、現在はほとんど使われていないという。

「大手製紙メーカーは、パルプ製造時に出る副生成物『黒液(こくえき)』を燃料にしています」(日本家庭紙工業会の担当者)

 黒液とは、木材チップをパルプに加工する際、木の樹脂などが溶け出した真っ黒な液体のこと。これを燃料として再利用している。

 燃料の一つにLNG(液化天然ガス)もあるが、輸入元(2025年)はオーストラリア(39.7%)、マレーシア(14.8%)などで、中東への依存度は原油(約90%)に比べて大幅に低い。

では、石油由来のポリエチレンなどの包装材はどうか。

「包装用の袋が不足しているという話は、会員メーカーからは一切ありません」(同)

 コロナ禍では、「品不足のマスクとトイレットペーパーの原料は同じ」というデマが拡散し、トイレットペーパー販売のPOSデータは一時前年比で約260%に跳ね上がり、「まさにパニック買いの状況でした」と、担当者は振り返る。

「今回は3月中旬、一時前年比141%まで上昇しましたが、3月下旬には同90%台前半まで下がりました」(同)

 仮に包装材が不足した場合はどうするのか。

「段ボール箱に包装せずに入れて出荷するなど、代替手段はあります」(同)

■石油化学製品は足りているのか

 石油由来の製品はほかにもある。たとえば、「家庭用ラップ」はどうか。

「サランラップ」を製造する旭化成は、取材に対しこう回答した。

「現時点では減産などの生産調整を行う予定はなく、直ちに一般のご家庭でのご使用に支障が出るような状況にはございません。SNSなどで見られるような急ぎ買い集めを行っていただく必要はないと考えています」

「クレラップ」を製造するクレハも「石油由来の原料は確保できており、通常通り生産している」と説明する。

■石油化学製品全体で「2カ月程度」の在庫

 ポリエチレンなどの原料である「ナフサ」(軽質ガソリン)は、実質中東に依存している。ナフサは原油を精製して作られるが、日本はナフサの44.6%を中東から輸入(24年)。国産も39.4%あるが、ほとんどが中東産原油を国内で精製したものだ。

 現在、石油化学メーカー各社はポリエチレンの材料となるエチレンを減産している。

 日本の主要な石油化学メーカー25社で構成される「石油化学工業協会」の担当者によると、イスラエルと米国がイランへの攻撃を開始した2月末の時点で、「ポリエチレンやポリプロピレンといった主要な原料は3カ月半~4カ月程度の在庫がある」。

 石油化学製品全体でも「国内需要の2カ月程度」の在庫があるという。

 しかし、「2カ月程度」であれば、4月末ごろには在庫は底をつくのではないか。そんな懸念に、経産省の担当者は、こう説明する。

「『2カ月程度』とは通常の在庫量で、出荷した分を製造しながら継ぎ足していきます」

 中東からの原油輸入はほぼ途絶えているが、政府は3月16日から民間備蓄、同26日から国家備蓄の放出を開始した。

「北米や南米など、中東以外からの代替調達を急いでいます」(同)

 現時点で石油化学製品の供給不足は起きていないという。

■地域により状況に大きな差

 中東産原油の途絶による影響は地域で大きく異なる。米国は世界最大の産油国で、イラン情勢を受けガソリン価格は上昇しているが、石油化学製品の供給への影響は限定的だ。欧州も北海(英国・ノルウェー)産や米国産の原油が下支えし、中東からの石油製品減少の影響は小さい。

 一方、中東原油への依存度が最も高いアジアでは、供給不安と価格高騰が市民生活を直撃している。バングラデシュでは発電燃料不足で工場が停止し、衣料品の出荷が滞る。パキスタンでは輸送燃料の欠乏で食品や医薬品の配送が遅れ、フィリピンやベトナムでも物流停滞から日用品やプラスチック製品の供給が不安定化している。

 これに対して、日本は254日分(昨年末時点)という世界有数の原油の備蓄量を確保していたため、東南アジアのような燃料不足や生活物資の混乱は、現時点で日常生活にはほとんど及んでいない。

 しかし、「不安」は人々の行動を乱れさせる。どんな製品も、「パニック買い」による欠品は避けたいものだ。

(AERA編集部・米倉昭仁)



日本経済にイラン攻撃“長期化”の影 原料ナフサの価格高騰「約30%の上げ幅は経験ない」値上げの波が押し寄せる現場は悲鳴 新年度…生活への波及は?【サンデーモーニング】
4/5(日) 13:55配信
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https://news.yahoo.co.jp/articles/7a1a50e8790fd97ca18428a7c29e1b0ac9cc11ac

戦争の長期化は日本経済に影を落とす新年度。私たちの生活に欠かせない石油製品を製造する現場で危機感が広まっています。

■新年度が始まり入社式 現在の値上げに“イラン情勢”反映されず「7月以降に値上げラッシュ再燃」?

新入社員が自ら生ビールを注ぎ…「乾杯!」。

2026年も業種ごとに趣向を凝らした入社式。伊藤忠商事では、新入社員1人1人が将来、様々な現場で活躍する姿をイメージした動画を上映。

新入社員
「僕はアジアに飛んで仕事していたところがあったが、本当に(将来の)自分の想像が湧いて、すごく面白かった」

一方、原油の輸入も手がける商社として、会長からは中東情勢に厳しい見通しも…

伊藤忠商事 岡藤正広会長
「まさか強引に船を通らせる訳にもいかないし、一朝一夕に解決しないよね」

航空会社の入社式でもリスクに言及。

ANAホールディングス 芝田浩二社長
「イランへの米国の攻撃が発生するなど、地政学リスクをめぐる情勢は、予断を許しません」

新年度が始まるなか、イラン攻撃が影を落とす日本経済。そもそも日本はいま、物価高のさなかにあります。4月から値上がりした食品は2700品目を超え、値上げ率は平均で14%。

しかも、今回の値上げの要因には、まだイラン情勢が反映されていないのです。帝国データバンクは、「ホルムズ海峡の封鎖など今の状況が続けば、“7月以降に値上げラッシュが再燃”する」可能性を指摘しています。

■石油から精製されるナフサ メーカーは「安定供給を最優先」

1日、東京湾に到着したのはナフサを積んだタンカー。石油から精製されるナフサは、様々なプラスチック製品のもとになるため、供給が滞れば、あらゆるモノの価格上昇につながります。

高市総理
「ナフサをはじめとする石油関連製品など、医療・農業・容器包装などに関係するものも含め、安定供給確保に万全を期してください」

政府もナフサや関連製品の安定供給にむけた対策チームを立ち上げました。しかし、現場ではすでに値上げの波が押し寄せています。ナフサ由来の原料、ポリエチレンを使って食品用の保存袋などを製造する会社を訪ねると...

日本サニパック 社員
「2年前は(中東から)紅海経由でインドネシアに輸出していたが、なかなか難しいということで」

原料の確保に苦慮しているのです。

日本サニパック 社員
「スエズ運河を通って、喜望峰を回って、インドネシアの方に」

日本サニパック 井上充治社長
「だいぶ遠回りしてるので、航海日数がかなり…どんな感じですか?」

日本サニパック 社員
「通常のところは20日ぐらいだったのが、倍の45日とか」

日本サニパック 井上社長
「コストも当然高くなりますよね」

ポリエチレンの価格はすでに倍に跳ね上がるなか、さらなる上昇も考えられることから、過去最大となる製品の値上げを決めました。

日本サニパック 井上社長
「30%以上の非常に大きな金額になりますが、値上げをお願いできたらと。(取引先からは)『安定供給を頼むよ』という声をたくさん頂いてますので、安定供給を維持することを最優先に、現在やっております」

値上げの波は、別の現場にも...

■「作れば作るほど赤字」 納豆容器、弁当箱、カップラーメンの丼 様々な商品に波及か

食品容器を製造する会社では、やはりナフサからつくられた原料を使います。

村山製作所 村山泰義社長
「これはポリスチレンを発泡させたシートで、納豆容器や弁当箱、カップラーメンの丼の材料になる」

中西悠理キャスター
「樹脂シートに熱が加えられて、金型で押されて形になっています。私たちがよく目にしている納豆が入っている製品ですね」

そして3月、原料の仕入れ先からこんな通達があったといいます。

村山製作所 村山社長
「約30%の値上げということで案内をいただいて、ここはもう交渉の余地なしと」

――30%の値上げは結構負担では?

村山製作所 村山社長
「これだけの上げ幅というのは経験がないです」

5月以降は容器の値上げもせざるを得ない状況。

村山製作所 村山社長
「我々のつくっている製品というのは、材料の値段が占める比率が非常に高くて、原材料の分だけはなんとしてもお認めいただかないと、作れば作るほど赤字」

私たちの生活で広く使われるナフサ由来の製品。値上げの波は、様々な商品に波及しそうです。



そうは言っても、全ての原材料が均等に備蓄されているわけではなく、順に市場に出回らなくなる。あとは連鎖反応でいろんなものが消えていく。人生は何でも競争だ。先に押さえた人の勝ちです。

私自身は買い占めを完了させてあります。

あとは、限りある商品を皆さんで奪い合ってください(爆)

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