ハマー近郊でのキリスト教徒襲撃が示したシリア体制の危機 仮面が剥がれたイスラム過激派から世俗派が離反 宗派主義 少数派
The context of the "Shara'a" group's raid on the Christians of Hama
Samer al-Yaziji
Syrian Writer and Analyst
Friday, 03 April 2026
al-Akhbar (Lebanon, Arabic)
シリア・ハマー近郊でのキリスト教徒襲撃が示した体制の危機
「聖戦」の背景と新たな局面
ハマー県西部の農村地帯で発生したキリスト教徒に対する武装勢力の襲撃(いわゆる「グズワ=聖戦」)は、これまでの大虐殺とは異なる様相を呈している。サヘル(沿岸部)やスワイダーで繰り返されてきた虐殺は、独立志向や前体制との関係を口実に行われてきたが、今回のハマー近郊のコミュニティにはそのような背景はない。ダマスカス知事による酒類販売制限をきっかけとした世俗的な抗議活動と、それに対抗するサラフィー主義者の対立が激化する中で、体制支持層の間でもこれまでの民族浄化や大量虐殺に対する無条件の支持に亀裂が生じ始めている。
経済崩壊と「共生」の終焉
体制とキリスト教徒社会の間に生じた亀裂の背景には、単なる宗派問題を超えた経済的破綻がある。米国によるイランへの戦争が激化し、イランがホルムズ海峡を封鎖したことで、これまでシリア経済を支えていたサウジアラビアやカタールからの資金援助や石油供給が途絶した。この経済崩壊は、体制側の権威主義的なサラフィー主義と、それを覆い隠すための仕掛けである湾岸諸国の資金に支えられたリベラルな宣伝工作との間の、不安定な共生関係を終わらせた。体制が人々の個人の自由(酒類販売の自由など)を侵害し始めたことで、両者の決定的な離反が加速している。
抗議活動の拡大と体制の焦り
ダマスカスのバーブ・トゥーマで発生した酒類制限への抗議は、体制が直接的な武力弾圧を躊躇する「安全圏」で起きた。これに対し、体制側のアッバースィーイーン広場での対抗デモは失敗に終わった。ハマー、ホムス、イドリブといったサラフィー主義の拠点で呼びかけられた集会も、各地点で200人程度しか集まらなかった。しかし、この少数ながら過激な集団による憎悪の言説は、社会の分断を煽るために利用されている。ハマー西部での女性への嫌がらせ事件などが、キリスト教徒社会が持つ「進歩的な社会的伝統」に対する攻撃の口実となり、中世的な価値観を押し付けるサラフィー主義勢力の暴発を招いている。
国際的な視線とファシズムの限界
スカイラビーイェでの襲撃は、体制が他の中小派を操作し、分断統治を維持しようとする試みの一環である。しかし、キリスト教徒に対する虐殺は、他のコミュニティへの弾圧とは異なる反応を引き起こす。体制を一方で保護しながら、もう一方でキリスト教徒への迫害を戒める西側の象徴的な庇護があるため、体制側のファシズム的な暴力装置も、キリスト教徒に対しては完全な暴走を抑制せざるを得ない状況にある。
国際社会でシリアの優先順位は低いから、何かあれば最初に予算が切られる。カタール輸出停止→外貨収入ゼロ(笑)。
まだ革命とか言って浮かれている人がいて、笑えるんだけど。アサドはもういないので、シリアで発生する全ての問題は「あなた」の責任だ。政治とはそういうものでしょ。
Samer al-Yaziji
Syrian Writer and Analyst
Friday, 03 April 2026
al-Akhbar (Lebanon, Arabic)
シリア・ハマー近郊でのキリスト教徒襲撃が示した体制の危機
「聖戦」の背景と新たな局面
ハマー県西部の農村地帯で発生したキリスト教徒に対する武装勢力の襲撃(いわゆる「グズワ=聖戦」)は、これまでの大虐殺とは異なる様相を呈している。サヘル(沿岸部)やスワイダーで繰り返されてきた虐殺は、独立志向や前体制との関係を口実に行われてきたが、今回のハマー近郊のコミュニティにはそのような背景はない。ダマスカス知事による酒類販売制限をきっかけとした世俗的な抗議活動と、それに対抗するサラフィー主義者の対立が激化する中で、体制支持層の間でもこれまでの民族浄化や大量虐殺に対する無条件の支持に亀裂が生じ始めている。
経済崩壊と「共生」の終焉
体制とキリスト教徒社会の間に生じた亀裂の背景には、単なる宗派問題を超えた経済的破綻がある。米国によるイランへの戦争が激化し、イランがホルムズ海峡を封鎖したことで、これまでシリア経済を支えていたサウジアラビアやカタールからの資金援助や石油供給が途絶した。この経済崩壊は、体制側の権威主義的なサラフィー主義と、それを覆い隠すための仕掛けである湾岸諸国の資金に支えられたリベラルな宣伝工作との間の、不安定な共生関係を終わらせた。体制が人々の個人の自由(酒類販売の自由など)を侵害し始めたことで、両者の決定的な離反が加速している。
抗議活動の拡大と体制の焦り
ダマスカスのバーブ・トゥーマで発生した酒類制限への抗議は、体制が直接的な武力弾圧を躊躇する「安全圏」で起きた。これに対し、体制側のアッバースィーイーン広場での対抗デモは失敗に終わった。ハマー、ホムス、イドリブといったサラフィー主義の拠点で呼びかけられた集会も、各地点で200人程度しか集まらなかった。しかし、この少数ながら過激な集団による憎悪の言説は、社会の分断を煽るために利用されている。ハマー西部での女性への嫌がらせ事件などが、キリスト教徒社会が持つ「進歩的な社会的伝統」に対する攻撃の口実となり、中世的な価値観を押し付けるサラフィー主義勢力の暴発を招いている。
国際的な視線とファシズムの限界
スカイラビーイェでの襲撃は、体制が他の中小派を操作し、分断統治を維持しようとする試みの一環である。しかし、キリスト教徒に対する虐殺は、他のコミュニティへの弾圧とは異なる反応を引き起こす。体制を一方で保護しながら、もう一方でキリスト教徒への迫害を戒める西側の象徴的な庇護があるため、体制側のファシズム的な暴力装置も、キリスト教徒に対しては完全な暴走を抑制せざるを得ない状況にある。
国際社会でシリアの優先順位は低いから、何かあれば最初に予算が切られる。カタール輸出停止→外貨収入ゼロ(笑)。
まだ革命とか言って浮かれている人がいて、笑えるんだけど。アサドはもういないので、シリアで発生する全ての問題は「あなた」の責任だ。政治とはそういうものでしょ。
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