女性皇族と家族は一体であるべき、夫や子が一般国民のままでは不都合噴き出す懸念…元首相・野田佳彦氏
女性皇族と家族は一体であるべき、夫や子が一般国民のままでは不都合噴き出す懸念…元首相・野田佳彦氏
5/29(金) 5:00配信
読売新聞オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/0e08a4a90143b7d52f616e51c1ac9cc2999d0d17
[論点 皇位継承]<4>
のだ・よしひこ 1957年生まれ。93年衆院選初当選。2011年9月から12年12月まで第95代首相を務め、在任中に女性宮家創設を含む論点整理を公表。民進党幹事長として、平成の天皇陛下の退位特例法の議論に関わった。今年2月から中道改革連合顧問。
女性皇族が結婚後も皇室に残れるようにすることは、皇族数を確保する観点から大賛成だ。独身の女性皇族の人生設計に関わるので、早く決めるべきだとの共通理解が与野党で進んでいる。だが、「女性皇族の夫と子は皇族としない」との与党と一部野党の主張には違和感がある。
【図】一目でわかる…戦後の皇族の構成人数、このように推移している
家族は一体であるべきではないか。一つの家族の中に皇族と一般国民がいるのは極めて不自然だ。一般の国民は選挙に立候補できるし、政党を作ることもできる。信教の自由もある。夫や子が一般国民のままで皇族にならなければ、不都合が噴き出す懸念がある。
皇族となるかどうかは本人の自由意思とし、皇室会議に諮って判断してもらうなどの選択肢を考えてもいいのではないか。中道改革連合が党見解で求めたように、皇室典範改正案の付則に夫と子の扱いについては「適時適切に対応する」と盛り込めば、重要な担保になるだろう。
旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える案には、私は一貫して慎重だ。旧宮家の子どもや孫の世代は生まれた時から一般国民だ。そういう方にだけ皇族との養子縁組を認めれば、憲法が禁じる門地による差別になるのではないか。
そもそも旧宮家と現在の皇室の共通する祖先は、室町時代まで遡る必要がある。相当な遠縁なので、男系男子を理由に皇室に迎えることに国民の理解が得られるか疑問だ。その方が急に皇室に入った時に国民が手を振ってくれるかどうか。最近の世論調査でも意見が分かれている。
憲法は天皇の地位を「国民の総意に基づく」と規定している。男系男子の維持にこだわり、国民の理解が十分に得られない状況が生まれれば、逆に皇統を壊していくことになるのではないか。時代に合った対応を考えるべきだ。
旧宮家の男系男子の中に、養子になる意思のある方がいるかどうかもわからない。いなかった場合は、この案では皇族の減少への歯止めにならない。養子を受け入れる宮家があるのかも不明だ。養子案には乗り越えるべき課題が多いが、深い議論は行われていない。
安倍政権下の上皇さまの退位特例法の議論では、与野党には一つの解を見いだそうという互いの努力があったが、今回はまだ見えない。国論を二分してでも決めてしまおうという態度は、「国家千年の計」にふさわしくない。立法府の総意を作るには、もう少し時間をかけたほうがいい。
与野党で合意ができた場合は、女性天皇の実現など、皇統を途絶えさせないための議論に速やかに入っていかなければならない。
5/29(金) 5:00配信
読売新聞オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/0e08a4a90143b7d52f616e51c1ac9cc2999d0d17
[論点 皇位継承]<4>
のだ・よしひこ 1957年生まれ。93年衆院選初当選。2011年9月から12年12月まで第95代首相を務め、在任中に女性宮家創設を含む論点整理を公表。民進党幹事長として、平成の天皇陛下の退位特例法の議論に関わった。今年2月から中道改革連合顧問。
女性皇族が結婚後も皇室に残れるようにすることは、皇族数を確保する観点から大賛成だ。独身の女性皇族の人生設計に関わるので、早く決めるべきだとの共通理解が与野党で進んでいる。だが、「女性皇族の夫と子は皇族としない」との与党と一部野党の主張には違和感がある。
【図】一目でわかる…戦後の皇族の構成人数、このように推移している
家族は一体であるべきではないか。一つの家族の中に皇族と一般国民がいるのは極めて不自然だ。一般の国民は選挙に立候補できるし、政党を作ることもできる。信教の自由もある。夫や子が一般国民のままで皇族にならなければ、不都合が噴き出す懸念がある。
皇族となるかどうかは本人の自由意思とし、皇室会議に諮って判断してもらうなどの選択肢を考えてもいいのではないか。中道改革連合が党見解で求めたように、皇室典範改正案の付則に夫と子の扱いについては「適時適切に対応する」と盛り込めば、重要な担保になるだろう。
旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える案には、私は一貫して慎重だ。旧宮家の子どもや孫の世代は生まれた時から一般国民だ。そういう方にだけ皇族との養子縁組を認めれば、憲法が禁じる門地による差別になるのではないか。
そもそも旧宮家と現在の皇室の共通する祖先は、室町時代まで遡る必要がある。相当な遠縁なので、男系男子を理由に皇室に迎えることに国民の理解が得られるか疑問だ。その方が急に皇室に入った時に国民が手を振ってくれるかどうか。最近の世論調査でも意見が分かれている。
憲法は天皇の地位を「国民の総意に基づく」と規定している。男系男子の維持にこだわり、国民の理解が十分に得られない状況が生まれれば、逆に皇統を壊していくことになるのではないか。時代に合った対応を考えるべきだ。
旧宮家の男系男子の中に、養子になる意思のある方がいるかどうかもわからない。いなかった場合は、この案では皇族の減少への歯止めにならない。養子を受け入れる宮家があるのかも不明だ。養子案には乗り越えるべき課題が多いが、深い議論は行われていない。
安倍政権下の上皇さまの退位特例法の議論では、与野党には一つの解を見いだそうという互いの努力があったが、今回はまだ見えない。国論を二分してでも決めてしまおうという態度は、「国家千年の計」にふさわしくない。立法府の総意を作るには、もう少し時間をかけたほうがいい。
与野党で合意ができた場合は、女性天皇の実現など、皇統を途絶えさせないための議論に速やかに入っていかなければならない。
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