イギリス FCAがPalantirと契約→国内のデータが米国政府に流出する懸念が噴出 金融行動監視機構

FCA’s Palantir deal could expose UK financial data to Trump’s US, critics fear
Robert Booth UK technology editor
Mon 1 Jun 2026 05.00 BST
https://www.theguardian.com/technology/2026/jun/01/fcas-palantir-deal-could-expose-uk-financial-data-to-trumps-us-critics-fear

主要な懸念(結論)
イギリスの金融行動監視機構(FCA:金融規制当局)が米IT企業パランティア(Palantir)社と結んだ契約により、イギリスの機密性の高い市民や企業の財務データが、トランプ政権下の米国当局(情報機関など)に筒抜けになる(Cloud Act等の米法律が適用される)のではないかという強い懸念が国会議員や人権団体から噴出している。

パランティアの背景と物議
パランティアはトランプ支持者である大富豪ピーター・ティール氏が共同創設したAI・データ分析企業で、トランプ政権の不法移民取り締まり(ICE)やイスラエル軍、イギリス国防省などにソフトウェアを提供している。5月21日には、ロンドンのサディク・カーン市長が「街の価値観を共有できない」として、同社とロンドン警視庁とのAI犯罪捜査契約(5,000万ポンド)をブロックしたばかりである。

FCAにおけるAI試験運用の内容
FCA(約4万2,000社を規制する機関)は現在、金融犯罪や詐欺を検知する目的で、パランティアのAIシステムを12週間の試験運用に投入している。対象データには、詐欺報告、顧客の苦情、SNSの投稿、事件のインテリジェンス・ファイルなど極めてセンサティブな情報が含まれる。

データ主権をめぐる法的な対立点
批判派の主張(マーティン・リグレー下院議員や市民団体)
米国法(Cloud Act、Patriot Act、FISA)に基づき、米政府は自国企業であるパランティアに対し、海外のデータであっても開示を強制できる。トランプ政権下では「法的定義」など通用しない恐れがあり、イギリス国民のデータが米国の情報網という「肉挽き機」に投入されるリスクがある。

FCA側の反論
データの「管理者(コントローラー)」はあくまでFCAであり、パランティアは単なる「処理者(プロセッサー)」に過ぎないため、米国法は適用されないと主張。

技術的なセーフティネット(暗号化)
パランティアおよびFCAは、試験運用で使用されるデータはすべて完全に「暗号化」されており、その暗号鍵はFCAが排他的に管理していると説明。技術的にFCAの許可なしにデータにアクセスすることは不可能であり、米当局から開示請求があっても応じようがないと釈明している。

これに対し議員らは、本当にCloud Actが適用外となる法的な根拠があるのか、金融規制当局にさらなる説明を要求している。

この記事へのコメント