「養子案を一定年数ごとに見直す」とは? 養子「恒久法化」明記で旧宮家は世襲貴族になる 成城大教授・森暢平 長浜博行
養子「恒久法化」明記で旧宮家は世襲貴族になる 成城大教授・森暢平
6/1(月) 16:20配信
サンデー毎日×週刊エコノミストOnline
https://news.yahoo.co.jp/articles/a1d7bf182bb59a92ee42616a5a4b7f1cd90cd673
◇社会学的皇室ウォッチング!/185 これでいいのか「旧宮家養子案」―第71弾―
皇室典範改正に向けた衆参両院の正副議長「取りまとめ」原案は、旧宮家養子案を恒久法化することを事実上、明言した。一方で、養子条項について「一定年数ごとの見直しをする」という提案も含まれる。皇位継承の根本を定める基本法の改正理念として、こんな場当たり的な案で本当にいいのだろうか。(一部敬称略)
衆参両院の正副議長4人は5月27日午後4時、衆院議長公邸で約1時間協議した。報道によると、この日示された原案は、①女性皇族の婚姻後皇室残留案、②旧宮家養子案の2案とも、「状況に応じて必要な措置を検討する」ことを付則に定めるように求めた。もっとも重要なことは、旧宮家養子案について、「一定年数ごとの見直し」を盛り込むことだ。皇位継承の原則が、まるで道路交通法のように数年ごとにコロコロと変わっていいのだろうか。また、養子となりうる旧宮家男子の年齢などを例示するという。養親となりうる範囲は、秋篠宮家を除く宮家皇族となると見られる。
他方、女性皇族の婚姻後皇室残留については、経過措置として、現在の女性皇族は、自身の判断で残留か離脱かが選択できるよう配慮することになっている。夫と子の身分については、旧宮家養子案同様、一定年数ごとの見直しの対象とすることも求めた。
現在の皇室典範9条には「天皇及び皇族は、養子をすることができない」とあり、12条には「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」とある。「取りまとめ」原案に沿えば、この本則を全面改正し、養子が原則可能となり、女性皇族は原則、終身皇族となる。
とくに問題なのは、9条の改正である。「制度設計は慎重に」と求めるものの、旧宮家にある男系男子は、「見直し」がない限り、この後、幾世代にわたり、皇族への養子が可能な「特権階級」となる。日本国憲法は、世襲貴族の存在を認めていない。14条で、門地(家柄、生まれ)による差別、および貴族制度が禁止されているからである。
しかし、衆院議長、森英介が示した「取りまとめ」原案は、旧宮家という「世襲貴族」の出現を容認する。現在、未婚の男系男子が残る旧宮家は、賀陽(かや)、久邇(くに)、東久邇、竹田の4家である。この4家は今後、この国の「世襲貴族」となる。これは、この国の民主化を規定した憲法の精神を骨抜きにする改悪案と評価できよう。
◇立憲・長浜博行前参院副議長に聞く
旧宮家養子案の恒久法化で、改めて、同案に「極めて慎重」という立場を明確にした参院・立憲民主党の対応が注目される。同党の責任者、長浜博行皇位継承検討本部長に話を聞いた。見えてきたのは、皇位継承問題に向けた同党の覚悟だ。
―現状をどう見ますか。
「旧宮家養子案は、養子となった方の次の世代に男子のお子さまを得ようとする方策。これはいくらなんでもと感じます。案がなかなかできなかったのは、さまざまな問題をクリアできないところにあったと思います」
「立憲主義の法治国家である日本国において、1947年、皇室典範に基づいて11宮家の51人は皇籍離脱をした。そういう法的処理をしている家の男性だけをピックアップして、なぜ養子を可能にするのか。『皇統に属する男系男子』は皇統譜に記載されていなければならないはずです。それを歪曲(わいきょく)し、しかも憲法14条の法の下の平等、門地差別の問題もクリアできるかどうかも分からない状態です」
「私たちの主張は、『(旧宮家養子案の)制度設計を慎重に』ではありません。養子自体に極めて慎重な立場です。養子をするという概念が私には理解できない」
―森衆院議長は国会会期末(7月17日)までの改正を言っています。
「私は昨夏まで参院副議長を務めました。当時の4人の正副議長は、案件の難しさは理解していました。一方、森議長が過去の事情を理解して、議事を進行しておられるのか疑問です。こんな難しい案件を、今国会中に結論を出すというのですから……。立法府の総意を形成するための信頼関係構築すらできていない」
◇強行採決のような力ずくはできない
「高市早苗首相が誕生し、3カ月前の総選挙で与党が爆発的に勝利して、立憲が雲散霧消した。単純に言えば、与党にとって『今ならできる』ということだと思います。しかし、皇室典範は次元の違う話だと思っています。日本国憲法の1丁目1番地(第1章第1条)、つまり日本国、日本国民統合の象徴である天皇に関係する案件ですからね」
―立憲が反対しても、今の情勢では、数の力で押し切られる可能性、場合によっては議長職権による強行採決はありませんか。
「少なくとも『立法府の総意』の解釈がきちっとしていれば、どんな案にしろ、力ずくで押し通すことはできませんね。40議席の立憲は、衆参全体で5番目の勢力ですが、参議院では自民に次ぐ第2党です」
―まず女性天皇議論が必要だということでしょうか。
「女性・女系問題は、2005年の小泉有識者会議で結論が出ています。今回の有識者会議とは質が違うって言ったら怒られるけど、日本国の屋台骨を作り直すというエネルギーがあった。本論を避ける今の議論とは迫力が違う。園部逸夫さん(元最高裁判事)や古川貞二郎さん(元内閣官房副長官)のように鬼籍に入った当時の有識者会議メンバーの方々から『何やってんだ!』と叱られますよ。私も、この問題は覚悟を決めてやっております」
「安定的皇位継承を阻害している要因は何かという問題意識が私にはあります。明治憲法では皇位は男系男子による世襲と明確に決められていました。現憲法でも『皇位は世襲』ですが、その方法は『国会の議決した皇室典範』が定める(2条)とされています」
「この問題は、正面から扱わないといけない。今は、浅草寺の参道(仲見世通り)ではなく、脇道の議論をしています。まるっきり違うと思いますね。なぜ天皇が男性でなければいけないのかという王道の議論に入っていかなければなりません」
長浜 博行 ながはま・ひろゆき
1958年10月生まれ。早大卒業後、松下政経塾入塾。日本新党結党に参画。1993年以降、衆院4期、参院4期(千葉選挙区)。官房副長官、環境大臣を歴任。2022年から25年まで参院副議長。現在、参院憲法審査会長
だから八幡案を粛々と進めているわけで、皇族が最低でも数十人、国民に隙あらば(必ずしも皇族身分を持たない平民資格の)後継候補を含めれば数百人に膨れあがる。
「平民だから税金投入なし」となるかは、闇に包まれ追求することはできないだろう。なぜならば、純粋に民間で暮らせば、様々な汚れにまみれてしまうことを防ぐことはできないからだ。陰に陽に政府が彼らの生活を支えるはずだ。
現行予算では、皇族1人あたり18億円の税金が投入されている。将来の税金支出がいくらになるか、人数分をかけ算してみて。
6/1(月) 16:20配信
サンデー毎日×週刊エコノミストOnline
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◇社会学的皇室ウォッチング!/185 これでいいのか「旧宮家養子案」―第71弾―
皇室典範改正に向けた衆参両院の正副議長「取りまとめ」原案は、旧宮家養子案を恒久法化することを事実上、明言した。一方で、養子条項について「一定年数ごとの見直しをする」という提案も含まれる。皇位継承の根本を定める基本法の改正理念として、こんな場当たり的な案で本当にいいのだろうか。(一部敬称略)
衆参両院の正副議長4人は5月27日午後4時、衆院議長公邸で約1時間協議した。報道によると、この日示された原案は、①女性皇族の婚姻後皇室残留案、②旧宮家養子案の2案とも、「状況に応じて必要な措置を検討する」ことを付則に定めるように求めた。もっとも重要なことは、旧宮家養子案について、「一定年数ごとの見直し」を盛り込むことだ。皇位継承の原則が、まるで道路交通法のように数年ごとにコロコロと変わっていいのだろうか。また、養子となりうる旧宮家男子の年齢などを例示するという。養親となりうる範囲は、秋篠宮家を除く宮家皇族となると見られる。
他方、女性皇族の婚姻後皇室残留については、経過措置として、現在の女性皇族は、自身の判断で残留か離脱かが選択できるよう配慮することになっている。夫と子の身分については、旧宮家養子案同様、一定年数ごとの見直しの対象とすることも求めた。
現在の皇室典範9条には「天皇及び皇族は、養子をすることができない」とあり、12条には「皇族女子は、天皇及び皇族以外の者と婚姻したときは、皇族の身分を離れる」とある。「取りまとめ」原案に沿えば、この本則を全面改正し、養子が原則可能となり、女性皇族は原則、終身皇族となる。
とくに問題なのは、9条の改正である。「制度設計は慎重に」と求めるものの、旧宮家にある男系男子は、「見直し」がない限り、この後、幾世代にわたり、皇族への養子が可能な「特権階級」となる。日本国憲法は、世襲貴族の存在を認めていない。14条で、門地(家柄、生まれ)による差別、および貴族制度が禁止されているからである。
しかし、衆院議長、森英介が示した「取りまとめ」原案は、旧宮家という「世襲貴族」の出現を容認する。現在、未婚の男系男子が残る旧宮家は、賀陽(かや)、久邇(くに)、東久邇、竹田の4家である。この4家は今後、この国の「世襲貴族」となる。これは、この国の民主化を規定した憲法の精神を骨抜きにする改悪案と評価できよう。
◇立憲・長浜博行前参院副議長に聞く
旧宮家養子案の恒久法化で、改めて、同案に「極めて慎重」という立場を明確にした参院・立憲民主党の対応が注目される。同党の責任者、長浜博行皇位継承検討本部長に話を聞いた。見えてきたのは、皇位継承問題に向けた同党の覚悟だ。
―現状をどう見ますか。
「旧宮家養子案は、養子となった方の次の世代に男子のお子さまを得ようとする方策。これはいくらなんでもと感じます。案がなかなかできなかったのは、さまざまな問題をクリアできないところにあったと思います」
「立憲主義の法治国家である日本国において、1947年、皇室典範に基づいて11宮家の51人は皇籍離脱をした。そういう法的処理をしている家の男性だけをピックアップして、なぜ養子を可能にするのか。『皇統に属する男系男子』は皇統譜に記載されていなければならないはずです。それを歪曲(わいきょく)し、しかも憲法14条の法の下の平等、門地差別の問題もクリアできるかどうかも分からない状態です」
「私たちの主張は、『(旧宮家養子案の)制度設計を慎重に』ではありません。養子自体に極めて慎重な立場です。養子をするという概念が私には理解できない」
―森衆院議長は国会会期末(7月17日)までの改正を言っています。
「私は昨夏まで参院副議長を務めました。当時の4人の正副議長は、案件の難しさは理解していました。一方、森議長が過去の事情を理解して、議事を進行しておられるのか疑問です。こんな難しい案件を、今国会中に結論を出すというのですから……。立法府の総意を形成するための信頼関係構築すらできていない」
◇強行採決のような力ずくはできない
「高市早苗首相が誕生し、3カ月前の総選挙で与党が爆発的に勝利して、立憲が雲散霧消した。単純に言えば、与党にとって『今ならできる』ということだと思います。しかし、皇室典範は次元の違う話だと思っています。日本国憲法の1丁目1番地(第1章第1条)、つまり日本国、日本国民統合の象徴である天皇に関係する案件ですからね」
―立憲が反対しても、今の情勢では、数の力で押し切られる可能性、場合によっては議長職権による強行採決はありませんか。
「少なくとも『立法府の総意』の解釈がきちっとしていれば、どんな案にしろ、力ずくで押し通すことはできませんね。40議席の立憲は、衆参全体で5番目の勢力ですが、参議院では自民に次ぐ第2党です」
―まず女性天皇議論が必要だということでしょうか。
「女性・女系問題は、2005年の小泉有識者会議で結論が出ています。今回の有識者会議とは質が違うって言ったら怒られるけど、日本国の屋台骨を作り直すというエネルギーがあった。本論を避ける今の議論とは迫力が違う。園部逸夫さん(元最高裁判事)や古川貞二郎さん(元内閣官房副長官)のように鬼籍に入った当時の有識者会議メンバーの方々から『何やってんだ!』と叱られますよ。私も、この問題は覚悟を決めてやっております」
「安定的皇位継承を阻害している要因は何かという問題意識が私にはあります。明治憲法では皇位は男系男子による世襲と明確に決められていました。現憲法でも『皇位は世襲』ですが、その方法は『国会の議決した皇室典範』が定める(2条)とされています」
「この問題は、正面から扱わないといけない。今は、浅草寺の参道(仲見世通り)ではなく、脇道の議論をしています。まるっきり違うと思いますね。なぜ天皇が男性でなければいけないのかという王道の議論に入っていかなければなりません」
長浜 博行 ながはま・ひろゆき
1958年10月生まれ。早大卒業後、松下政経塾入塾。日本新党結党に参画。1993年以降、衆院4期、参院4期(千葉選挙区)。官房副長官、環境大臣を歴任。2022年から25年まで参院副議長。現在、参院憲法審査会長
だから八幡案を粛々と進めているわけで、皇族が最低でも数十人、国民に隙あらば(必ずしも皇族身分を持たない平民資格の)後継候補を含めれば数百人に膨れあがる。
「平民だから税金投入なし」となるかは、闇に包まれ追求することはできないだろう。なぜならば、純粋に民間で暮らせば、様々な汚れにまみれてしまうことを防ぐことはできないからだ。陰に陽に政府が彼らの生活を支えるはずだ。
現行予算では、皇族1人あたり18億円の税金が投入されている。将来の税金支出がいくらになるか、人数分をかけ算してみて。
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